いなづま句会(2022年11月) 

第 844回 い な づ ま 句 会

俳誌「かつらぎ」主宰 森田純一郎先生 指導
令和4年11月26日
兼題 ・「万博記念公園(もみじまつり)吟行」 当 季 雑 詠 五 句

選 者 吟

紅葉踏み紅葉見上げつ園巡る
句碑のなきことが惜しまれ紅葉渓
冬空に細枝ペン画を描きけり
猫背なる太陽の塔紅葉濃し
鈍色の空冷えびえと観覧車

いなづま句抄

〇泳ぐ鯉水面の紅葉ゆらしをり            冨山 勝幸
〇石橋を守るは満天星紅葉かな            難波 正行
〇園巡る幾度も落葉踏みしめて         野尻 弘輔
〇初見なるメタセコイアの紅葉かな       渡邉 建彦
〇冬天に太陽の塔揺るぎなし          木下 貴友
〇山村のただ一軒の吊し柿           広田 祝世
〇茶畑とわかる霜除けされあるも        出店智惠呼
〇カラフルな膝掛堂を守りけり         奥村 恵子
〇紅葉なす公園空中散歩かな                      友岡 淑子
〇太陽の塔目印に紅葉狩               前野美枝子
 闇に出て月のかけらを探す夜         留岡 寛

(〇印選者選)

(注)
満天星紅葉(どうだんもみじ):「どうだん」は室内照明用の「灯台」がなまったもののようで、
秋に紅葉する「満天星紅葉」は秋の季語。「満天星の花」は春に白い花を咲かせ春の季語。(季語)
紅葉狩(もみじがり):紅葉を鑑賞するために山野などを訪ねること。(季語)
冬天(とうてん):「冬の空」の傍題。(季語)
月のかけら(つきのかけら):四百四十二年ぶりの皆既月食と天王星食の様子を詠んでいます。
「月」として秋の季語。